第18回GRS海外協力事業
カレン難民救済とミャンマー福祉協力
1992年(平成4年)10月25日〜11月5日
カレン難民への協力に礼を言いたい--と反政府のカレン民族同盟を指揮するボーミア大統領(左)、と極秘裏に会見
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発病するか否かは別として、住民の70〜80%はマラリアに冒されている。キャンプ内バラックの診療所、マラリア、下痢が多いが、中には地雷で足を飛ばされた人もいる
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バンコクから北西へ一路400キロのメゾットへ。そこからさらに約100キロの深山のふところに、シュクロー難民キャンプがあった
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10月25日〜11月5日、五味団長以下19名は、タイ・ミャンマー国境に点在するカレン難民キャンプを視察、マラリア対策費、医薬品、米、文房具など(4万ドル相当)を贈った。また、幻の存在として反政府のカレン民族同盟を指揮するボーミア大統領と彼の右腕といわれるトラ大佐とも会見した。 さらにそのあとバンコックへ戻り、再び空路ミャンマーの首都ヤンゴン市に入り、ミャンマー赤十字、仏教会(孤児院、身障者団体)へ義援金4万ドルを贈った。 過密スケジュールの中、ウーヌー元首相、ミャンマー外務省のエー政務局長らと会見したが、敵対する両者を同時に訪問したのは、世界でも初めてという画期的なことだった。
●カレン族難民問題●
カレン族とは、ミャンマーに存在する135の民族のうちの一つの少数民族であり、主にタイ国境近くの東南部で生活している。1980年代にミャンマー軍がカレン族の居住地に攻撃を開始したことにより、カレン族が難民化がはじまった。GRSが活動を行った平成4年当時、カレン難民は2万人を越えていた。我々が入ったキャンプ内の小さな小屋のような病棟にはマラリアに冒された子供や大人が30数人、空ろな目で空を見つめていた。 |