第16回GRS海外協力事業
エチオピア飢饉難民救済と文化・スポーツ交流
1992年(平成4年)2月24日〜3月6日
メレス大統領との会見は、五味団長以下17人もの団員が同席を許可された異例のもの。しかも日本のテレビカメラが、初めて大統領官邸に入った
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サハイエ記念孤児院を訪問(アジスアベバ市内)
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ゴタラ地区、一千人以上の住民が既に一年もテント生活をしている
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エチオピア飢饉救済と、文化・スポーツ交流のための訪問団(団長五味武・副団長乃木将典国士舘助教授)一行22名は2月24日から3月6日までエチオピアを訪問した。 同訪問団は今回、3つの目的をもって訪問した。・「日本エチオピア文化交流の夕べ」を開催し、日本の歌や抜刀道・空手など日本武道を広くエチオピアに紹介する。・チャリティー新年会などで集めた11万ドル(約1500万円)の義援金と物資を、難民、被災民、孤児救済機関、UNHCRなどに寄託する。・37歳のメレス・ゼナウェ大統領、他VIPとの会見など。 文化交流と11万ドルの寄託については、ほぼ予定通りこれを実行、エチオピア側関係者の深い共鳴と感謝を得た。 だが難民慰問については、現地の政情不安と官僚主義に囲まれ、ソマリア難民キャンプまでの足の確保および義援物資の輸送問題などがからみ困難を極めた。
●難航する義援活動●
日本から運んだ段ボール50箱分の義援物資が、理由も告げられず国際空港(税関)に止められ、帰国の日まで来ず、贈呈式もできない始末。また、難民キャンプへの中継地ジジカ空港では、大統領と、情報大臣の、了解と協力をとりつけていたにもかかわらず、予定の軍のヘリコプターが、4時間まっても来ない。車利用は、武装強盗が出没するから許可できないとのこと。それでも訪問団は、ソマリア国境に近い難民救援拠点ジジカで、現地購入のパン、粉ミルクなど段ボール30箱、約2000ドル分を現地の国連高等弁務官事務所(UNHCR)に委託、一部をマザー・テレサ記念孤児院に贈った。 |